学校教育リフレクション

主に学校教育を中心に綴ります。「学び」は学校に限らず、家庭、地域、社会と広く、生涯を通じて営み、人を育むものと考えています。

問題行動等生徒指導上の諸問題(文部科学省 平成28年度 速報値)

平成29年10月26日に速報値が出ました。

 目新しい所では、ここ数年の小学校での件数が増えています。昨年(平成28年)話題に出ていましたが、数が増えています。今後、注目を集めるところです。

 暴力行為と不登校の2つのデータを並べました。何か共通なものを感じませんか。

平成14年度を見てください。増加あるいは横ばいの所、この年に下がっています。

この年に、学校現場で何が起きていたのでしょう。「ゆとり教育」完全実施です。

 平成20年度に暴力行為は増えています。不登校NPOなどのテコ入れを平成17年度から始めたにも関わらず増えています。平成17年にPISAショックがありました。

 ここ数年小学校では英語教育が来年(平成30年度から移行期間)に入ります。

 

英語教育が暴力に、ゆとり教育が暴力や不登校の緩和に、

「それは関係ないだろう」と話にもならないかもしれませんが、実際、数字と学校現場の動向はリンクしている。

 教師に主体性を委ね、学習内容の緩和を図った「ゆとり教育」は随分と批判され、(運悪く?)PIASショックに晒された。でも、この世代は芸能やスポーツなどの分野で活躍する人が多いとも言われています。

 学力偏重へ戻した平成20年度、英語教育の実施の目前の平成28・29年度に暴力行為が増加したのは偶然ではないと思います。教師に対するプレッシャーを、繊細な子どもたちは敏感に感じ取ってしまう。

 学校で、教室で何が起きているのか?

 未来のある子どもたちにとって、何が必要か?

 グローバル化に対応した英語力、旅行程度なら既にウエアブル翻訳機が出ています。

 商談や交渉を英語で?!今の日本でどれ程の人が、そこまでの英語力が必要なのか?

 

無用な知識の詰め込みや膨大な学習内容に押しつぶされ、

もがいている子どもたちからの警鐘ではないだろうか。

 

文部科学省 平成28年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果(速報値)

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