学校教育リフレクション

主に学校教育を中心に綴ります。「学び」は学校に限らず、家庭、地域、社会と広く、生涯を通じて営み、人を育むものと考えています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

「わかる」ために何が必要か

わかりたいと思うのはなぜか 我々は何にでも意味を見つけたがる。意味をつけないと落ち着かない。意味とは、わからいものをわかるようにする働きです。意識は情報収集のための装置。情報収集とは、秩序を生む心の働きです。わかるというのは、秩序を生む心の…

どんな時に「わかった」と思うか

1.直感的にわかる 「わかった」という体験は経験の一つの形式であって、事実とか真理を知るというここと必ずしも同じではない。 2.まとまるとわかる 解きほぐされ伝えられたものを、もう一度心の中で解きほぐされる前の心象へまとめ直す。上手くまとめら…

記憶がなければ「わからない」

記憶を土台に、初めてわかるとかわからないとかいう心理的な反応(感情)が生まれる。記憶がなければそもそも反応(わかった)自体、出現しようがない。 記憶のいろいろ ◎意識に呼び出しやすい記憶 (1)出来事の記憶 自分の身に起こる(移り変わる生活の流…

「わかった」というのは感情なのです。

「わかった」にもいろいろある。 1.全体像がわかる。(見当がつく) 2.整理するとわかる。(分類、まとめる) 3.筋が通るとわかる。(説明する) 4.空間関係がわかる。 5.仕組みがわかる。 ここまでは、未知のことに向き合ったとき、われわれがそ…

思考の習慣

思考の習慣(学校を変える力:デボラ・マイヤー) なぜそうだという事が言えるのか? 根拠の問題 誰がそう言っているのか? 視点の多様性の問題 原因は何か? ものごとの関係やパターンを探る もし、状況が違えば事態はどう変わっていたか? 仮定の問題 この…

いじめも青少年の自殺も、学校教育における2次障害

「いじめはなくならない」という言われている中で、 学校だけは「いじめゼロ」「いじめ撲滅」と叫んでいる。 確かに、行き過ぎたいじめは決してあってはならない。 いじめは学校だけにあるわけではない。 家庭で、職場で、人が集まれば、2人のときでもいじ…

問題行動等生徒指導上の諸問題(文部科学省 平成28年度 速報値)

平成29年10月26日に速報値が出ました。 目新しい所では、ここ数年の小学校での件数が増えています。昨年(平成28年)話題に出ていましたが、数が増えています。今後、注目を集めるところです。 暴力行為と不登校の2つのデータを並べました。何か共通なものを…

ホリデーハンガー

夏になると、英国では「ホリデーハンガー」という言葉が聞かれる。長期の休みに入り、給食がなくなると飢える子供が増えることから、こんな言葉使われるようになった。フードバンクでは、子ども用の夏期緊急食糧も配布される。1998年から2002年のス…

障害児の学びの中に

障がい児の学びの中で、その躓きは輝いている。 みんなが無意識に取り込んでいるそれがわからない。 安易に信じてしまう事もよくよく考えてみれば、本当のところはどうなんだろう? そんなの簡単じゃない。そうです簡単です、あたなには。 簡単にはいかない…

母子家庭教育?

母子家庭から、教師が学ぶもの 教師向けの学習会の講話。 家庭裁判所での離婚調停で、 母子家庭となった母親に何を望むか尋ねた時の答えです。 1つ目、腕のいい弁護士が欲しい。 離婚調停です。父親の子どもの養育費を少しでも多く払ってもらいたい。 でも…

貧困は選択肢を失うこと

所得が真ん中の人の半分未満である「貧困状態」の家庭の子どもは(2013年の国民生活基礎調査時点では)約300万人いた。「報道では貧困状態が特に濃いケースが取り上げられので、より多くの子どもたちが置かれている相対的貧困の暮らしぶりが伝わらない」。一…

教育の2大目標 賢明で善良であること

トーマス・リコナーはその著作である「こころの教育論」(慶應義塾大学出版会)の中で、賢明で善良であることが教育の2大目標であることを掲げていいます。 賢明と善良が同じではない、賢明な人が必ずしも善良な人とは限らない。このことから、性格形成の教…

新卒一括採用のまま?

新卒一括採用は、新卒の時に1回だけ、採用機会が与えらる仕組み。若者は「新卒」というブランドを1回だけ与えられます。それを逃すと職のない若者が生まれ、しかも、その後も不安定な状態に置かれるのです。高度成長時代の大幅な人手不足の時代に完成した…

格差固定化の企て

コラムニストの眼 ディビット・ブルックス 「高学歴層が築く 見えない壁」 大学卒以上の学歴をもつ層は、その恵まれた地位を我が子に引き継いできた。さらに、その他の回想の子どもが自分隊の仲間入りをする機会をせまめることも。 我が子の後押し:出来のい…

不登校という二次障害

不登校になる理由は様々である。 そして、不登校の理由が変わり、不登校であることが理由になる。 「休み過ぎて行きにくい」それである。 義務教育である学校を行かないと公共の様々なサービスも受けられない。 学習はもちろんのこと、学校保険法に定められ…

若者の命 守るため

2017年6月24日 朝日新聞 オピニオン 若者の命 守るために 身近に自死を感じている2人の記事が掲載されている。 ライフリンク代表 清水康之さんの結語 「困難な問題でもいろんな解決策がある」ことの具体的な知識を身に付けられれば、安心感にもなり、いざと…

ビッグファイブ

学校の成績を決めるのは知能だと思われているが、実はそうではないかもしれない。学校での成績を予測する場合は、従来のテストで測る「知能」よりも、「性格」の方が優れた判断材料になる、という新たな研究結果が発表された。具体的には、明るく開放的でか…

自覚

自分はこんなことをしたい。自分への気づきから決意や自己決定へ 自分には向いていない。資質の気づき。 環境に大きく影響されるが、生まれに関係なく志が高い人がいる。 素質と全く関係ないところに向かうこともある。向いていないのにやりたい。 自分を知…

子どもの貧困と虐待は、教育問題ではない

子どもの貧困や虐待が問題になっている。学校でも話題になっているが、対応はしても対策をとることはできない。それは、子どもの貧困も虐待も教育問題(文部科学省)ではなく、生活と労働の問題(厚生労働省)の問題である。なぜなら、経済力がなく進学でき…

環境

家や地域、国を選んで生まれてくる人はいない。その人の人生に大きく影響するものであることは間違いない。生活環境、文化や風習などがそれに当たる。 同じ環境で産まれながら、自分の力を見つけ最大限に伸ばしていく人や埋もれていく人、力を伸ばすのではな…

未成年の自殺

2017年5月28日の朝日新聞のフォーラム「君は一人じゃない」小さないのち そこには、減らない子供の自殺のことが載せられていた。 いじめ問題にスポットを当てた記事であった。警察庁のデータを見ると、年々自殺率は減り続けているのに、未成年のそれ…

素質

「あなたは、声楽の才能があるわ」恩師に言われて、始めました。 飛び抜けた才能の持ち主は、幼い頃からその片鱗を見せ始める。 自分の才能を一生見つけられないままで終わる人もいる。ほとんどの人がそうだと思う。 もし、全ての人が自分の才能に気がつき、…

ステージ

発達段階、スモールステップ(学習過程)、死の受容プロセス、概念(1次的、2次的概念)、理解(知識の獲得)、成長(動機と欲求)には、それぞれ段階がある。 それは、個人の素質的装備や環境との相互作用、時間軸を強く主張しない。 症状や状態から様々…

修復的司法とは何か

スクールソーシャルワーカー 山下英三郎 修復的対話 RJサークル 修復的司法とは何か―応報から関係修復へ 作者: ハワードゼア,西村春夫,細井洋子,高橋則夫 出版社/メーカー: 新泉社 発売日: 2003/06/10 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ …

3つのこと

今を全力で生きる かけがえのない自分を大切にする。(自殺防止というよりも、前向きに生きる) 出会いを大切に 人が苦手、いいじゃないですか。苦手ということは好みがありということ 人生の友を、たった一人でも見つけられたら、十分だ。 自分の可能性を信…

不登校の生徒は、学校についていけない?

「不登校の生徒は、学校について行けないから」という理由 勉強について行けない。習っていないからそうでしょう。 習っていないのについて行けたら、普段の学校の勉強の価値が無くなります。 学級や集団に馴染めない、いじめ、発達の遅れなど、 いろいろな…

家に帰れない少女たち

コメントが書けません。読んで感じてください。 家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生 作者: 鈴木大介 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2008/11/10 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 62回 この商品を含むブログ (17件) を見る 難民高校生 …

学校にいろんな大人

今 学校には、様々な立場の人々がいる スクールカウンセラー 心理面において受容的になり、心のケアをする 養護教諭 心理面においては受容的にだけれど、先生という立場もあるので、指導的な立場をとることもある、生徒の状態に合わせた対応をバランスよく行…

いじめのある世界に

いじめは、犯罪。 「いじめは犯罪ではないという幻想」 いじめとは? 「いじめかどうかの見分け方」 他人を支配したい 「権力欲」 人を奴隷にしてしまうプロセス 「孤立化」「無力化」「透明化」 家庭での市民権を失う 「無理難題」 終わりに 「安全の確保」…

いじめの政治学

書誌情報:中井久夫著、『アリアドネからの糸』、みすず書房、1997年 「いじめの政治学」 これほど、「いじめ」について、端的かつ真意を貫く文章はない。 教師と保護者に、是非読んでほしい。 いじめはその時その場かぎりのものではなく生涯にわたって被害…